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特殊建築物定期検査は所有者、管理者の義務

特殊建築物定期検査とは



建物の外壁が剥がれ落ちて駐車中の自動車を破損したり、エレベーターに挟まれたり、ボイラーの不完全燃焼で一酸化炭素中毒が発生したり、手すりの強度不足から脱落事故が発生したりと、毎年、数多くの建物にかかわる事故が発生しています。そういった事故の中には、老朽化や設備の不備などが原因となっている事故が少なくなく、建物の維持管理が適切に行われていれば発生を未然に防げたものがいくつもあります。

新築時には美しく輝き、最新の設備を導入していた建物も、中の設備とあわせ、経年劣化してしまいます。建築基準法では、建物を適正に維持管理し、経年劣化等を原因とする事故を未然に防ぐために、不特定多数の人が利用するデパート、ホテル、病院などの特定建築物に対して、建物の健康診断を行い、その結果を報告することを求めています。この建物に対する健康診断は「特殊建物定期検査」と呼ばれ、建物の利用用途にもよりますが、1年から3年に一度の頻度で、有資格者が建物の調査を行った上で、調査結果を都道府県や市等の特定行政庁に報告します。

類似の制度にビル管理法に基づく衛生管理検査や消防法に基づく点検がありますが、建物および設備に関する検査で、ビル管理法や消防法で定めるものとは別の検査制度になりますので注意が必要です。



特殊建築物定期検査を受けるには



特殊建築物定期検査の対象となる建物は建築基準法の細則および特定行政庁(都道府県または人口25万人以上の市)によって、その使用用途や規模によって定められています。多くの場合、定期検査の対象となる建物の所有者宛に検査の案内書や通知書が送られてきます。しかし、第一回の定期検査を迎えていない建物や、前の所有者の都合等で長年報告を行っていない建物には検査の案内書が届かないこともあります。建物の所有者の皆さんは、まずは報告の対象となる特定建築物および規模に該当するかどうかを確認しましょう。検査の案内書が届かなくても、該当する建物であれば報告の義務があります。判断が難しい場合は、管轄の特定行政庁へ問い合わせると分かります。

特殊建築物定期検査の対象となる建物の場合、検査を行うためには調査資格者に依頼する必要があります。建物や設備に関する知識を有する人でなくては検査ができず、特定建築物の調査資格者は「特定建築物調査員」の資格を有する人に限られています。

定期検査の検査費用については、調査員や調査会社により様々です。建物に関する書類の整備状況や現地調査の人数、支援範囲等が異なってくるためです。予算や所有者側でどこまでのサポートを必要とするかによって適切な調査員や調査会社は変わってきます。しかし、せっかくお金をかけて検査を受けるのであれば、目に見えない不具合をしっかりと把握したいところです。目に見えにくい建物の劣化を判断するためには経験が必要となりますので、経験や実績が豊富な調査員や調査会社が安心です。

調査員や調査会社を選定すると、敷地の状況、構造強度の状況、避難施設などの状況、一般構造の状況、対価構造等の状況に対して調査を行い、報告書を作成してくれます。

報告書は所有者または調査会社が特定行政庁へ提出すると、1ケ月から3ヶ月ほどで判定結果が返ってきます。判定結果が良好な建物に対しては特定行政庁より「特殊建物等定期検査報告済証」が発行され、是正項目がある場合は改善の上、改善完了報告書類を提出します。



特殊建築物定期検査を受けないとどうなるか



特殊建築物定期検査を受け、定期報告書を提出しない場合や虚偽の報告を行った場合、建築基準法代101条によって100万円以下の罰金を科されることがあります。定期検査の案内書が届いていたうえで報告を怠った場合は当然ですが、定期検査の案内書が届いていない場合でも、定期検査の対象となる建物であれば罰金の対象となります。

実際に罰金を科された例はあまり無いようですが、定期検査を行っていない建物で重大な事故が発生した場合、その社会的、経済的な影響は計り知れません。行政処分による罰金だけではなく、建物の維持管理に対する責任を問われます。万が一、不測の事故で死傷者が発生した場合には刑法により5年以下の懲役刑や禁固刑が科される可能性がありますし、民法に基づく損害賠償も発生します。平成13年に44名が亡くなった歌舞伎町の雑貨ビル火災をご記憶の方も多いのではないでしょうか。

歌舞伎町の雑貨ビルでは火災によって人命が失われましたが、建物の劣化を放置すると、外壁の落下、設備の故障などが発生して人命に危機を及ぼす可能性があります。所有する建物でそのような災害が起きないよう、建物を所有される方は建物の安全を維持する義務があります。

また、人命の危機まで至らなくても、建物や設備の経年劣化による雨漏りの発生や設備の故障で通常の使用が難しくなることもあります。定期検査は建物の現状を把握し、建物を長持ちさせるため格好の機会です。特殊建物定期検査を滞りなく受けるようにしましょう。

 
 
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