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空気環境測定とは何か?ビル管理士の選び方とは?
空気環境測定とは何か?
あまり聴き慣れない言葉「空気環境測定」ですが、まずは基本を押さえるためにも、これが何なのかということについて理解していきましょう。端的に言ってしまえば、法律で定められた空気環境の測定を行うことです。字面通りのため、何となくはイメージをすることができるのではないでしょうか。
では、もう少し具体的な解説をしたいと思います。ビルを始めとした「大きな建物」は、一般的に空気の循環をしっかりと行わなければなりません。しっかりと行わないといけない理由については後述しますが、一言で言ってしまえば「危険であるため循環をさせないといけない」ということを、まずは理解していただきたいと思います。「大きな建物」とは、どのような建物を指すのかについてですが、こちらもしっかりと法律で定められています。「大きな建物」とは、3,000平方メートル以上の建物です。かつ、建物が商業用途であったり、事務所用途である場合です。(一般的な家で3,000平方メートル以上という建物は早々あるものではないため、分かりやすいかと思われます。)また、8,000平方メートル以上の学校も「大きな建物」に分類されます。これは、特定建築物と呼ばれ、ビル管理法が適用されることとなります。
そして、このビル管理法に「空気環境測定を実施してください」と明記されているわけです。この測定ですが、誰もが行えるものではなく、ビル管理士と呼ばれる人が行わなければならないことも頭に入れておきましょう。(ビル管理士は、正式名称「建物環境衛生管理技術者」と呼ばれます。)
何故、空気環境測定をする必要があるのか?
では、本題の「何故、空気環境測定をしないといけないのか」について説明します。その理由は単純明快であり、「危険であるため」です。
大きな建物になればなるほど、「窓」という存在は少なくなります。つまり、空気を循環させるためには、しっかりとした空調設備が必要となってきます。もし、この空調設備が不十分で、空気の循環をしっかりと行うことができなくなってしまった場合は、一酸化炭素中毒を起こしたり、二酸化炭素が増えすぎて頭がボーッとしてしまったりと、危険な状態に陥ってしまうこととなります。一般的な家庭であれば、窓が付いており、昨今は常時換気されるように作られているため、このような心配はありません。しかし、大きな建物になればなるほど、その密閉度は増し、換気がされにくい状況となってしまうわけです。中には「大きな建物に入ると頭がクラクラする」「なぜか生あくびが多くでてしまう」「頭がボーっとしてしまう」など、敏感に身体の変調をきたす人もいます。これが、まさしく空気の循環が上手くいっていない証拠となります。
このような状況にならないためにも、空気環境測定を行って、常々安全を確認していかなければなりません。空調設備というのは、基本的に24時間フル稼働しているものです。となると、気になってくるのが「耐久性」です。昨今の空調技術というものには目を見張るものがあり、早々に壊れてしまうものではありません。
したがって、頻繁に測定を行わなくてもよさそうですが、実は法律においてはかなりの頻度で「チェックするように」と定められています。その回数は、年に6回。つまり2カ月に一回のペースです。このようにチェックを行う頻度の多さからも、この測定がどのくらい重要で、空調設備が不良を起こしてしまったときには、いかに危険かを理解することができます。
測定をしてくれる人の人選は「お金」ではなく、「技術力」で
このように、頻繁に測定を行っていかなければならないということは理解していただけたかと思われます。そうすると、次に気になってくるのは値段です。高ければ高いほど、ランニングコストが高くなるわけですから、大きな建物を管理している人間側からすると、少しでも安く抑えたいところです。実際のところ、べらぼうに高いわけではありませんが、べらぼうに安いわけでもありません。したがって、一定の出費は覚悟しておくべきこととなります。ただし、測定に関する値段というのは、ビル管理会社によって大きく異なります。
あくまでも空気環境測定は「技術サービス」であり、スキルが高ければ高いほど、より正確に・より安全に測定をしてもらえます。ビル管理会社としては、最高のサービスを提供するために、教育をして万全を期して派遣することは間違いありません。そのため、技術力には対価としてお金を払わなければなりません。結果、値段も高くなってしまうのは致し方がないところです。
そうすると、注意すべき点が出てきます。値段が安ければ安いほど、スキルを持っていない建物環境衛生管理技術者(技術者になって間もないビル管理士など)が派遣される可能性が高くなります。つまり、空気環境測定は、安価に済ませたいといった軽率な心持ちで依頼をしていはいけないということです。人の命がかかっているといっても過言ではないため、測定をしてくれる人の人選は「お金」ではなく、「技術力」で選ぶことを強くおすすめします。